大阪市北区の雑居ビルで25人が犠牲になった放火殺人事件で、谷本盛雄容疑者(61)=死亡=のスマートフォンには、事件の準備や工作についての記載や検索履歴が数多く残っていた。そのスマホの電話帳の登録はゼロ。1年前に口座残高がなくなり、孤立と困窮の中、半年前から事件に向かった姿が浮かぶ。
大阪府警は事件発生から1カ月を前にした14日、捜査状況を説明した。
谷本容疑者は1985年に結婚し、2年後に大阪市西淀川区の住宅を購入した。2006年に同区のマンションに居を移し、住宅は人に貸して家賃収入を得ていた。
離婚後の11年、長男を出刃包丁で刺すなどして逮捕・起訴され、懲役4年の実刑判決を受けた。出所後は更生保護施設に。17年2月から父親から相続した同市此花区の住宅に住んだ。
現場となったクリニックを初めて受診したのは同年3月。府警によると、相談内容は「夜眠れない。体がだるい」といったことだった。その後、事件までに100回以上受診した。
21年6月、此花区の住宅を出て、西淀川区の住宅に移った。前年から住人はなく、家賃収入もなくなっていた。
谷本容疑者はこのころから、スマホを使うようになります。一体何を調べていたのか。その痕跡から事件の真相にせまります。記事後半では、容疑者の盗んだ意外なものが明らかになります。
■スマホで検索「大量殺傷犯人…
Source : 社会 – 朝日新聞デジタル